はじめまして、皆さんの家づくりについてあれこれと思いを巡らせている 一級建築士の後藤です。 建築士と言っても事務所の中で、じっと絵を描いたり図面を引いたりしているわけではありません。 設計したお宅の現場がきちんと納まっているかどうか… 計画ではこうだったけれど、もっと良い工夫はないものか… 大工さんや職人さんたちは今日も元気に頑張って下さっているだろうか… お施主さんのイメージと現場とにズレは無いだろうか… なんて、様々な事を思いながら現場の監理もしています。 掃除や片付けも勿論しますよ。(せっかく現場に行ったのですから…) 私は東京の大学で建築を学びました。 卒業を目前に、友人のほとんどが就職が決まっている中、ひとりぽつりと未就職…。 就職活動すらしていませんでした。 ”このまま岐阜に戻るより、東京で働きたい!!” こんな思いをかかえて、インテリアデザイン会社に就職しました。 仕事は有名婦人服メーカーのShopや展示場の設計・施工でしたが、毎日が勉強、勉強、 一つ一つの仕事全てが、身となり骨となる様な環境で、仕事の厳しさと、 インテリアデザインの面白さや奥の深さを、ここで学びました。 「空間を味わい、照明を楽しむ」といった感性は、 この頃、仕事を通じて自然に身に付けていったものだと思います。 その後、愛知県の住宅会社を経て、岐阜に戻り、なんと今度はキコリ(森林作業員)になりました!! (家業を継ぐ形でしたが…) チェンーソーをかついで山に入り、木を伐採してそれをトラックで木材市場に運びます。 そこで、製材会社や建材メーカーなどの建築用木材の加工屋さんに販売するのです。 岐阜県・滋賀県・三重県・静岡県・山梨県・東京都・福島県・岩手県・岡山県・徳島県・高知県・ 愛媛県・大分県 と日本の様々な山に入りました。 山の南斜面・北斜面・谷底・尾根(頂上)付近と、同じ山でもその場所によって樹種や木材の 性質に大きな違いのあることも、実体験から学びました。 ・ 同じ木でも住宅に使って良い木と、不向きな木… ・ 同じ木でも構造材に向く木と造作材に向く木… ・ 同じ樹種で、同じ構造材でも、より適した木とそうでない木…(強度の強いモノと弱いモノ) ・ 同じ樹種で、同じ造作材でも、仕上がりの美しい木とそうでない木… ・ 時間の経過と共にくるい(ねじりや反り)が多くなる木とそうでない大人しい木… ・ そして、一番大切な「木」には伐採する最適な時期があるという事。 こんな様々な木に関する知識を7年間、本からではなく山から直接学びました。 (日本広しと言えども実際に山に入り、木を伐採し、山から直接「木」の事を学んだ建築士さんは、 そうはいないのではないでしょうか?) この経験を生かし、私は今でも
「山」から直接学んだ「木」のすばらしさを、その良さを・・ |
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